上棟とはどういうものなのか? どのような作業順番で組み上がっていくのかを説明します。
この記事では、
一生に一度あるかないかの大きなイベントである上棟。
今までの平面的な状態から立体的な骨組みが出来上がる瞬間を見逃がさないために、また外作業なので暑かったり、寒かったりと1日中現場にいるのは大変!ですから、どのタイミングで行けばいいのか、見たい光景がいつになるかが分かり、効率よく現場に行く事ができるタイムスケジュールを教えます。
上棟当日のタイムスケジュール
大工さん人数7人~10人 天候は晴れ及び曇り(夏場は熱中症予防に水分補給や休憩をこまめに挟みますので、時間は変わってきますが、それ以外はおおかたこのような時間の流れで作業が進んでいきます。
外工事ですので、急に雨が降ってきた場合には、途中で中止ということもあります。
- 大工さんが掛矢を振って梁を納めていく息の合った掛け合いを見る事ができる。
- 昼休憩で、柱や梁の組んである途中経過を間近に見ることができる。
(作業中なので、大工さんの道具や足元に材料が散らかっていますので、気を付けて見学しましょう。) - 一番高い位置にある棟木を納める瞬間に立ち会う事ができる。
(ハウスメーカーや工務店によっては、作業を手伝う事ができる。) - 家の全体像が把握でき、立体的で大きく見える
上記のように4つの見どころポイントが、あると思います。
写真やビデオを撮ったり、担当営業さんから部材の説明を受けたりと希望に合った時間と場所で
記憶と記録を残すことができると思います。
一度、建築依頼をしているハウスメーカーや工務店さんに相談してみるといいかもしれません。
それでは、この後、作業内容と手順を細かく見ていきたいと思いますので最後までお読みください。
上棟とは(建て方、棟上げとも言います。)
上棟とは、木造住宅(軸組み工法)において柱や梁・桁(地面と水平に流れていて、床や小屋の荷重を支える木材)
を組み立てて、家の屋根までの骨組みを造っていく事をいいます。
家の大きさや状況によっては、2日に分けて行う場合や梁や桁までで終わる時もあります。
ここでは、上棟準備の作業である土台敷き~床合板までの作業は割愛します。
上棟時の作業順
今は、予め図面を基に工場で木材を加工した木材(プレカット材)を使って作業を行います。材の大きさや組み方はプレカット図面によって分かるようになっています。
柱と梁を組む
- 部材がまとめて梱包されているので、まず最初は、材料をばらす所から始まります。
- プレカット図を見ると、いろはと番号で場所が分かるように付けられています。
(建物の横軸がい、ろ、は、縦軸が1,2,3というようになっています。) - その番号を見て柱や梁を取り付けていきます。
- 柱(ほぞ)を、土台(ほぞ穴)に指して立てていきます。
(その時にほぞ向きが間違っていると梁が収まらないので、確認して行います。)
- 梁や桁の番号は短辺部分に付いているので、縦に材を置き換えてレッカーが
吊りやすいようにします。
大工さんが掛矢を使って梁材を収めていく、息のあった掛け合いは圧巻です!
- 梁を収めている最中は不安定なので、仮筋交いを打って固定していきます。
- ある程度、組みあがってきたら下げふりを使って建て起こしを見ます。
- (柱が垂直に立って、建物が歪んでいないか確認する。)
- 1階梁が収まりましたら、接合部の金物(羽子板ボルトなど)をインパクトレンチで取り付ける
梁は継手や仕口というような加工がされていて、しっかりと付くようになっている。
また、それに加えて、金物やボルトで固定をしていきます。
- 小梁や火打ち材(斜め材でねじれを防ぐ材)も入れる
- 2階の柱や梁材も1階と同じように組んでいきます。
床合板(剛床)を張る
床合板厚み24㎜を貼っていきます。
剛床とも言います。
張る事で床も丈夫になり、水平方向に対する力が強くなります。それによって耐力壁にしっかりと力を伝えることができます。(水平構面をとる。)
小屋組み作業
2階梁の上に小屋束を立てる
母屋材を取り付けする。 この一番高い所にある部材を棟木というので、この材を取りつける事が
棟上げという事から、おおかた屋根まで完成することを上棟と言われています。
垂木(屋根の流れ方向に付ける木材)をビスで留める。
鼻隠し・破風を取り付け屋根合板(野地板)を張る
ここまでいけば、上棟も終盤に近づきます。
野地板(屋根合板)を垂木に釘で打ちます。
上にルーフィングと呼ばれる防水紙を屋根屋さんが貼って完了です。
これで、雨が建物内に入りにくくなり一安心です。
その他 (窓台や間柱、面材などを取り付ける。)
こちらの作業は、上棟人数や天候、上棟式をやるなど状況によって進捗状況が変わります。
小屋組みに入った時点で、上をやる人(屋根部分)と下をやる人(その他作業)と分かれて作業します。 大体4:6の割合で分かれます。
面材(耐力面材)を貼るために、下地となる間柱や窓台(サッシが付く所)を入れていきます。
これらの材料も、決められた場所にはまる様に長さをプレカットされています。
屋根以外をやる人は、窓台や間柱をやった後、
このように3m×0.9mの大きさの面材を貼っていきます。
(種類によって重さは変わりますが、およそ
16㎏~18㎏ぐらいで、重い物ですと25㎏あります。)
上棟のような人数がいる時に、分担して行うことで効率が良くでき、後工事の進捗が良くなります。
大工さんのチームワークが、わかるところでもあります。
また、次の日が雨予報だと建物全体を雨が入らないようにブルーシートで養生します。
上棟時の足場は、レッカー作業があるため、完全ではなく、手の届かない所がありますが、翌日に雨予報だったため、しっかりとブルーシートを貼って作業を完了していただきました。
この状態だと雨が降っても安心です。
朝から夕方まで高い所で、たくさんの作業をこなして1軒の家を造っていく大工さんは本当にすごいと思います。
いつも上棟を応援しあっている仲間内の大工さんだからわかる段取りやチームワークは想像を超えるものがあります。
ここで上げました、見どころ以外でも、時間が取れる方は、1日見てても飽きの来ない作業といえます。 中には1日休みを取って、テントを用意して観ている方も見えるぐらいです。
是非、このブログを読まれた方は、家が建っていく過程(上棟作業)を楽しんで観てもらえたら
嬉しいです。
ありがとうございました。
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